Bombye Japan Tour Log Vol.4

Bombye Japan Tour Log Vol.4

昨夜から降り続いた激しい雨は、夜明け前に止んだ。雨上がりの名古屋はいつも以上の快晴模様だった。気持ちい朝を迎えた。

 

名古屋での最初のライブを終えた彼らは、疲労からか宿へ戻るとすぐに眠りについた。ニックに関しては、リビングの床ね寝だした始末だ。ロングドライブから息をつく暇も無くライブをし、宿へ戻ったのが23時過ぎともなれば無理もない。

 

気持ちい晴天に囲まれてライブ前に名古屋城へ観光へ連れ出した。日本に来ても、「THE 日本」を感じられるスポットを訪れたこともなかったからだ。初めて見るお城や石垣にサムとアンドリューは驚いているのがわかった。アーティストという一面もあるが、彼らも日本を楽しむ訪日観光客でもある。お土産とスイーツを購入して大満足なアンドリューが午前中のMVPだろう。

5/25(日)の公演は13時スタートだ。足早に名古屋城を後にして会場へ向かう。

現地に着くと、オープニングDJを務めるDJ Sumireがサウンドチェックをしている。POOL SIDEクルーからは"すみれちゃん"として親しまれている彼女は、POOL SIDEがきっかけでDJを始めた一人だ。いつだって重要なシーンには顔を出してくれる気概の良い彼女は今回も、Bombyeのライブがあるともなれば、わざわざ時間を作ってくれた。

彼女はいつだって自分という判断基準を持っていて、自分が良いと思うものには積極的に力を発揮してくれる。名古屋から東京に実費で足を運んでイベントごとに顔を出してくれる彼女こそ、名古屋での公演におけるストーリーがある一人だった。POOL SIDEにとって大事な友人の一人だろう。

開場の時間を迎え、Sumireによるスロージャムなセットでお客様を迎える。昨日同様に遠方からも足を運んでくれた方々がいた。本当に嬉しい瞬間だ。

MC I.S.OによるMCでライブが幕を開ける。菅原愛子さんのソロライブで会場が一つになっていく。会場が昨夜とは違った暖かなムードに包まれたところでBombyeが登場する。

日曜日のデイライブともあり、土曜日のナイトライブよりもチケットの売れ行きもよく、人の集まりも良かった。夜のシーンで観るBombyeも良いが、昼のシーンで観るBombyeもまた違って気持ち良い。ハワイのアーティストの空気感を纏っていることに改めて気付かされた瞬間だった。

ライブは滞りなく進行していく。だが、途中で昨夜とのセットリストが全然違うことに気づいた。わかりやすく言えば「昼用」のセットリストを持ち出していた。Bound時代のタイトル以外にも、OhtoroとNick Kurosawaのタイトルを演奏している。

ニックを語る上で、絶対に外すことのできない存在がハワイのビートメーカー「Ohtoro」だ。信頼できる兄のような存在としてニックが信頼を置くのが彼であり、彼のタイトルが日本で多く流通し、ニックの名前を広く伝えたと言っても過言ではないだろう。ニック自身のハワイでの音楽活動のリアルがそこにはあるのだ。

彼のトラックをBombyeとしてアレンジし演奏するという、彼へのリスペクトと、ニックと日本を関係づけた楽曲として大切にしていることの表れだと思う。

イントロを聞いた瞬間に、コネクトレコードの清水さんと私は思わず目を合わた。コネクトレコードとPOOL SIDEを関係づけたのもまた、Ohtoroとニックのタイトルだからだ。

 

陽が傾きかけた夕方頃、名古屋でのライブが終了した。

穏やかで暖かな空気が流れていた。初めてBombyeのライブを観る人がほとんどだっただろう。きっとその場にいた全員が満足に値する内容のライブだったのではないだろうか。表情が皆柔らかかった。

Bombyeは準備のスピードもさることながら、撤収のスピードも速い。

こちらが余韻に浸っているところに、「いつでも出れるよ!」とニックが声をかけてくる。思わず日本語で「早過ぎだろ(笑)」と言ってしまった。笑

 

ライブを終えれば、東京へのロングドライブが待っている。

挨拶も早々に、足早に会場を後にした。

「あ!コンビニに行きたい!」とアンドリュー。

帰り道の高速道路ではレットブルと、どら焼きを手にドライブ時間を楽しんだ。

空はオレンジとブルーの入り混ざる何とも言えぬ鮮やかな色を纏う。最前列で隣に座るカメラマンが空へカメラを向けた。良い空だった。

 

東京へ着いたのは23時頃だった。

次の公演は5/31(土)のニックのソロ公演と、日本橋JAZZ FESへの出演となっている。しばらくの間、彼らのサウンドから離れるのが寂しくも思えた。彼らの音楽に触れたとても濃い2日間だった。